2022年4月12日火曜日

参考書の選び方


受験戦略のパートでオススメの参考書と勉強法をまとめましたが、各人毎にカスタマイズして、目的に応じた参考書選びが必要になるかも知れません。以下、参考書を選ぶ場合の重要項目をまとめました。


基礎固め

学校に行かずに独学で勉強する際、まず大切になるのが授業レベルの学習です。難しい参考書である必要はありませんが、実際に授業に参加した時に学ぶ内容や範囲を確実に学べる必要があります。講義形式や要点まとめ型など、色々とありますが、「すべての項目を網羅していること」と「難しくなく、短期間で1冊を終えることが出来ること」が重要です。なるべく短期間で科目の全体像を理解して、確実に理解できるまで繰り返し学習をしましょう。


標準レベルの演習

基礎固めが完了したら(もしくは同時進行で)、標準レベルの問題集を繰り返し演習します。問題集を選ぶ場合、2つの方法があります。一つ目は自分のレベルに合わせて選ぶ方法です。この場合、問題集の最も難しいレベルの問題と解答を見て、概ね書いてあることが理解できそうか(感覚で OK)どうかで判断します。二つ目は目標としている大学のレベルに合わせて選びます。ただ、この場合、難しい問題の勉強は後回しにすることをお勧めします。1 周目、2 周目で基礎固めが終わった後に、難しい問題へ取り組みましょう。


応用演習

標準レベルの問題集で、自分のレベルに合わせて問題集を選んだ場合、目標とする大学のレベルとギャップがあるかも知れません。その場合、必要なレベルの応用問題集を追加しましょう。ただし、標準レベルの演習が確実になった後に始めます。


繰り返し学習のコツ

上記の流れは、原則すべての科目に当てはまります。1冊の参考書を確実になるまで繰り返します。その場合、前から順番に確実にするのではなく、1周目は 50% 理解、2 週目は 70% 理解と、繰り返すことによって理解度を上げていくことが大切です。前から順番に勉強をすると、受験当日になって、全く勉強していない分野が残ってしまいます。ただし、愚直に何周も同じ参考書を勉強するのも効率が悪くなります。1 周目で確実に理解できている問題には印をつけて、 2 周目からは飛ばして勉強しましょう。また、何度も間違えてしまう問題や苦手な問題にも印をつけておくと、試験や模試の前日の見直しに有効です。大切な事は、迅速に1 周、2 周、参考書を終わらせることです。


暗記学習

英単語や古文単語、歴史、生物など暗記が重要な科目の場合、繰り返し学習の効果は非常に高いです。基本的な勉強法は同じく繰り返しですが、暗記事項の場合、1 周終わってから最初に戻るのではなく、毎日、前日までの学習内容を復習しながら 1 週目を終わらせることが重要です。具体的には、初日に 1-5 ページの暗記を行ったら、翌日は 1-5 ページの復習をしてから、6-10 ページの暗記をする。翌々日は 1-10 ページの復習を行なってから、11-15 ページの暗記をするという具合です。この場合にも、印をつけながら学習して時間効率を上げましょう。


書き取り学習

闇雲な書き取り学習は非効率的ですし、疲れて勉強のモチベーションを下げてしまいます。多くの入試において、マーク方式が主流ですので、自分で書く必要があるのか、それとも選べば良いのかは認識して学習しましょう。ただし、最低限の漢字や英単語などは書けないとその後の人生で困ることも予想されますので、最重要な部分にのみ書き取りを加えましょう。この場合も、闇雲に書き取りをするのではなく、問題演習と合わせて書き取りしましょう。問題演習のアウトプットによる書き取りは大切ですが、意味もなくお経を写すような書き取りは無意味です。


発音と音読

何かを覚える場合、発音と音読は重要です。例えば、正しい発音がわからずに暗記しても、リスニングでは意味をなさなくなってしまいます。英単語帳を選ぶ場合には、音声教材がついている本をお勧めします。


目移りしない

よく言われることですが、一度、参考書を選んだら、浮気せず、目移りせず、その本がボロボロになるまで使い込みましょう。1 冊を完璧に仕上げてから、次に移ることが重要です。例外として、自分のレベルにあまりにも合っていない参考書の場合、再度、参考書選定のやり直しが必要です。ですので、最初の参考書選びは慎重に、戦略に基づいて行いましょう。


受験当日、ボロボロになった参考書が、皆さんの良いパートナーとなっていると思います。